痛みについて – 本当の friendly IVF をめざして –|藤沢IVFクリニック|藤沢駅・産婦人科・不妊治療・体外受精・生殖医療

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痛みについて – 本当の friendly IVF をめざして –

痛みについて – 本当の friendly IVF をめざして –|藤沢IVFクリニック|藤沢駅・産婦人科・不妊治療・体外受精・生殖医療

2025年5月02日

痛みの感じ方は人それぞれです.
ある人には我慢できる痛みも, 他の人には耐えがたいものになります.
当たり前のように思えますが, 医療現場ではしばしば見落とされがちです.

若い産婦人科医だったころ, 私も陣痛の痛みや分娩の介助に立ち会う中で,
「医療には痛みが伴うもの」と無意識に受け入れていました.
しかし, 苦しむ妊婦さんたちを見続けるうちに,
これは当たり前ではないのではないか? と気づくようになりました.

日本では長らく,
「お腹を痛めて産んだ子どもにこそ愛情が育まれる」
「痛みに耐えることが, 女性の自立性や存在意義を高める」
といった考え方が支配的でした.

当時, 社会での役割や活躍の場が限られていた女性たちにとって,
痛みを経験することが, 精神面での成長や, 人としての価値の向上を象徴するものと受け止められていた側面があるのです.

けれども現代では,
痛みを経験せずとも, 女性たちは堂々と社会で躍動しています.
痛みを尊ぶ気持ちは尊重されるべきですが,
痛みに耐えなければ価値がないという考え方は, 決して強要されるものではありません.

こうした意識の変化とともに,
硬膜外無痛分娩という選択肢も広まりつつあります.

わが国でこの麻酔法の普及が遅れた背景には,
思想的な側面に加え, 産科医や麻酔科医の不足という現実的な課題がありました.
そして, 無痛分娩を十分に提供できない状況を,
「痛みに耐えることの美徳」という価値観を隠れ蓑にして, 正当化する風潮もあったのかもしれません.

現在では, 適切な麻酔法による, 分娩時の痛みからの解放が進みつつあります.

痛みは, 誰にとっても同じではありません.
感じ方も, 苦しみの深さも, 人それぞれなのです.

欧米では, 小児のワクチン接種など, 小さな医療処置の際にも,
局所麻酔薬入りの外用剤を使用することが広く行われており,
子どもたちには, 「魔法のクリーム」として喜ばれているそうです.

当院の体外受精 (IVF) の診療では,
採卵あたりの高い妊娠率をめざす過程で,
10〜11日間連続して皮下注射が必要になることもあります.
そんなとき, 大人だって, 無理に痛みに耐える必要はありません.

当院でも, 大人のための「マジック・クリーム」の導入を試みています.
皮下注射の痛みがご心配な方は, ぜひ外来でご相談ください.
ご使用後のご感想も, ぜひお聞かせいただければ幸いです.

一人ひとりにやさしい, 本当の “friendly IVF” を,
これからもめざしてまいります.

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