卵子凍結
卵子凍結
卵子凍結は, 通常のIVFのプロセスと同様に卵子細胞採取し, ごく低温で凍結保存する技術です. 本来なら毎月1つしか成熟・排卵しない卵巣を, 排卵誘発剤を用いる事により複数成熟させ, 採取することが可能となります. この卵子を将来, パートナーの精子と共にIVFの診療に供することにより, 望んだタイミングで妊活を再開出来ます.
医学的適応による卵子凍結は, がん治療などの影響で治療後の生殖能力が著しく低下する可能性がある場合に, 性腺 (卵巣・精巣) に毒性のある治療の開始に先立って卵子凍結を行い, 体外で保管します. がん治療が完了した後も, 排卵等の卵巣機能の回復には5年 (あるいは10年)単位の時間を要します. そこで, 以前に採取・保管していた卵子細胞を用いることにより, 望むタイミングでの妊娠と出産が現実的なものとなります.
社会的適応による卵子凍結は, 特に妊娠するには最適な年齢層における女性で, 現時点ではパートナーがいない方・不確定な方や, キャリア形成を優先するために結婚や妊娠・出産を後ろにずらしたいと思っている女性を中心に広まりを見せています. 年齢が上がると, 卵子の質や数が低下します. したがって妊娠・出産を叶えるためには, 年齢が上昇する前に卵子を凍結保存することが, 現実的な選択肢になりつつあります.
いつかは子どもが欲しいと思っている人や, あるいは子どもが今後欲しいと思った時点では年齢による変化が強く出現してしまっていることを不安視する方に, 卵子凍結は焦りを解消し, その後さらに仕事に積極的に関わられる効果が規定されます.
これらの状況や条件に該当する場合, 卵子凍結は個々のニーズや状況に応じて検討されます. 現在の状況やご希望をお伺いし, 最適な選択肢を一緒に考えて参ります.
卵子凍結を検討する前に, 医師と十分なカウンセリングを行います. あなたの健康状態や個々の状況を確認し, 卵子凍結が適切な選択肢であるかどうかを一緒に確認します.
卵子凍結には比較的高額な費用がかかります. 一般的には保険が適用されることはなく, 各種の助成金制度が整備されつつあります. 費用の負担と利用可能な助成金制度について, 明確に理解しておく必要があります.
卵子の凍結と融解のプロセスは, 卵子の品質や引き続くIVFの成功率に影響を与えます.
現在のこの分野の細胞凍結技術の進歩は目覚ましいものがありますが, 採取した卵子あたりの成功率はどの程度なのか? 現実的に, 自分の場合は卵子をいくつ程度凍結することを目標とすべきなのか? これらは, 今尚改良が続く技術の進歩に依って日々更新される情報です. 現在のベストプラクティスについて, クリニックにお話を聞きにご来訪ください.
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